日本帰国の場合：401K / Roth IRA / 銀行口座/タックス

日本に帰るときにアメリカの口座をどうしておくか、というのは難しい問題ですよね。その人の状況や考え方にもよるし、「これが正解！」という答えはありません。自分なりの答えを考える参考になりそうなことを書いておきます。

グリーンカード

グリーンカードを維持するのであればこれからずっとアメリカの税金から逃れることはできません。完全に帰国する（もうアメリカに住むつもりは無い）のであれば、グリーンカードの放棄も検討すると良いかもしれません。移民局とIRSの両方に通知が必要で、IRSはその人の資産などの状況に応じて放棄後10年間は報告を義務付ける場合があります。気をつけて頂きたいのは移民局ではグリーンカードを放棄した扱いでも、IRSは別になるということです。

401(k)

勤め先を辞めてご帰国されるのであれば、IRAに移して今後は自分で直接金融機関とやり取りするか、解約してしまうか、どちらかが良いと思います。10%のペナルティとその年の所得税が掛かりますが、もし勤め先がマッチをしてくれていたのなら、マッチの金額によっては10%を払っても自分が出した分よりは減ってないので解約してしまうというのも方法です。IRAに移しておけばちょっとずつ引き出して所得税を抑えるという方法もあります。
もしIRAに移すのであれば帰国する前に行う方が良いでしょう。グリーンカードを維持するのであれば大丈夫だとは思いますが、外国に住所があると金融機関によっては扱ってくれない場合もあるようです。

Roth IRA

Rothは401(k)やIRAと違って、自分が拠出した分に関してはペナルティなし、税金なしで引き出せます。Rothの利益に対しては10%ペナルティが掛かります。

リタイアメント口座の日本での扱い

日本の税務署からすればアメリカのリタイアメント口座は単なる投資口座とみなされるかもしれません。その場合、アメリカでは非課税、もしくは税金先延ばしでも、日本では普通に課税される可能性があります。これは利益の金額などにもよるかもしれません。

銀行口座

今後の為替レートがどうなるかは予測できませんが、もし通貨分散を考えているのならこの機会を利用して口座を取っておいても良いでしょう。もっとも今後もUSドルが外貨資産として良いかどうかは意見の分かれるところですが。
ただ、金融機関によってはグリーンカードを持っていない外国人の場合、帰国する際には口座を閉めさせられる場合があるようです。

住所と税金

アメリカは属人主義といってアメリカ市民権、永住権を持つ限りどこに住んでいても税金を払う必要があります。日本は属地主義で日本に住む人は誰であっても税金が掛かります。そのため、日本にグリーンカードを持つ人が住んでいて、アメリカの口座で利益があった場合、両方の国に納税義務が発生します。実際には確定申告で一方に払った税金をもう一方で相殺することがある程度できます（アメリカではForeign Tax CreditまたはDeductionを使う）。
もし永住権を放棄して非居住者になった場合はアメリカでは口座の利息に対して税金を払わなくて良くなる（W8-BENを提出）ので、日本での申告だけになります。

すいません、切れてしまっていたところを編集して追加しました。

永住権を持ったまま帰国した場合、アメリカの税法上ではアメリカ市民が日本に滞在しているだけとほぼ同じ扱いになります。そのために日本からアメリカ確定申告をしている人は相当数いると思います。