昨年実施された$600の小切手による還付や、今年実施される$400の手取り額増加による減税では経済浮揚効果が薄く、せっかくの減税が貯蓄に回ってしまうだけと指摘されている。新しく発表された政策では、減税効果をできるだけ消費に回すよう、減税措置が以下のように変更された。
- 還付額は$400から一気に$40,000に引き上げる
- しかし、予算は限られているので、もらえるのは100人に一人とする。
- 誰がもらえるかは社会保障番号(SSN = Social Security Number)による抽選形式とする
- 毎週、全米テレビネットワークを通じて、抽選会を放映し、「当たり」社会保障番号を順次、発表していく。
- ちまちま手取り額を増やすのではなく、小切手でドカーンと還付する。小切手も幅2mくらいの大きなもので、テレビ映りが良いものにする
抽選方法
詳細な抽選方法は未定だが、SSNの下3桁を使って当選番号を決める模様。テレビ放映で番号が書かれたボールを3つ、大統領が選ぶ演出も予定されている。
市民や業界の反応
この法案に対する反応はまちまちだ。この方法による還付金は、比較的少額の還付よりも消費に回る分が多く、経済学者らは「これこそが真の消費刺激策である」と絶賛。ある経済学者は「宝くじに当たった人の多くは一年以内にさらに貧乏になっている。つまりこれはあぶく銭はより多く消費に使われるという証拠で、この現象を税金還付に利用するのは画期的だ」と発言した。さらに抽選会を放映するテレビ業界はインターネットに奪われている広告収入を増やすチャンスと、この政策を歓迎している。
市民団体などからは不公平と言う不満も挙がっている。この政策を主導した高官のスポークスマンは「見た目には不公平に見えるかもしれないが、誰にでも平等にチャンスがあるので不公平とは言えない。」という声明を発表した。しかし、市民感情を反映して「修正総収入(AGI)が$250,000以上の場合、抽選の対象とはならない」という条項を盛り込む公算が高くなっている。
経営不振に陥っているゲネゾル・モーターズとダライスラー社は、還付金を同社の車を購入するギフト券にするようロビー活動を展開。比較的経営状態がましなフォーダ社は2社専用のギフト券にすることに反対を表明している。
IRSも便乗商法を展開
さらにこの改正に便乗してIRSは納税率を上げるために「確定申告をして還付金があたるチャンス!」キャンペーンを実施すると発表。当局によると還付金の抽選は全社会保障番号が対象だが、確定申告を期限内にした人に限って抽選に外れても下1桁が同じなら「末等」として当初の$400を還付するという。
政界の動き
共主党はこの法案の名称を「Patriotic Spending Act of 2009」(愛国的消費法)とするよう、圧力を掛けている。民和党は当選額をさらに10倍にする法案を提出している(当選者は1000人に一人に減る)。当選金額を高くしてさらにギャンブル性を増やし消費を後押しする狙い。
詐欺の増加の懸念
FTCは税金還付を謳った詐欺が増えることを懸念しており、「当選番号は必ずテレビで確認すること。当選の確認のために社会保障番号のすべての桁を聞くようなメールを送ったり、ウェブサイトを当局が作ることはないので騙されないように。また4月1日のジョークネタに釣られたりしないように」と注意を呼びかけている。
[FI Planning初のジョークネタをお読みいただいてありがとうございます。]
一瞬 本当かと思いテレビのニュースを見てしまいました。 今
学生(ゲスト) 2009/04/01(水) - 13:37一瞬 本当かと思いテレビのニュースを見てしまいました。
今日は4月1日でした。
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