最近、こちらの掲示板にて、FATACA、FBRAなどの、アメリカの税申告の多数のトピックを多数拝見するに付け、ふと心配になってきた事があり、是非、皆様のお知恵を拝借したく、今回トピを上げさせて頂きました。
当方、アメリカに現地人との結婚で居住しております。日本にて会社勤務をしていた経験があり、日本の年金受給資格(勤務年数+カラ期間)と、会社勤務していた時代の企業確定拠出年金が、退職に伴い個人確定拠出年金に変更になり、60歳以降に受給資格予定(退職時の金額は69万円弱)。の2種の年金受給予定があります。
現在まで、アメリカの確定申告は、夫も私もTAXに明るく無い事から、例年TAXオフィスに依頼して、ファイルをしております。が、この2点関して、今まで聞かれた事もありませんでした。今回、皆様の税申告関係のトピックを拝見しながら、自分でも少しづつ申告内容の勉強をしておりまして、多種の日本に存在するお金の申告パターンを知り、今更、この2点に関して今まで何もしていないが、アメリカ側に確定申告時に、FORM1040等で申告する必要があったのだろうか。と不安になって来た次第です。
もし、同じような状況にあって対応方法をご存知の方、また必要手続き等ご存知の方がおられましたら、情報を頂けると非常に助かります。
Re: 日本の年金と個人確定拠出年金について
jinmei 2015/01/23(金) - 16:05Form 8938の対象になるかという点については、instructionによると"An interest in a social security, social insurance, or other similar program of a foreign government is not a specified foreign financial asset."および"Report in Part VI your interest in the foreign pension plan or foreign deferred compensation plan."とありますので、「日本の(厚生)年金受給資格は対象外だが、個人確定拠出年金(の残高)は対象になる」ように思われます。
FBARの対象になるかどうかは、instruction (PDF)を軽く眺めた範囲では私にはよくわかりませんでしたが("social security"系の記述は見当たらず、IRAや(アメリカの)401(k)などへの言及はあるものの、これが外国の確定拠出年金などのことを指しているのかがよくわからない)、検索して出てくる一般の資料(したがって真偽のレベルは少し怪しくなる)では、Form 8938と同様の扱いであるとしているものが多いようです。
ただ、(国の年金の方は対象外と仮定して)もし該当し得る資産が個人確定拠出年金だけで、その残高が69万円の頃から大きく変わっていないのであれば、金額的にFBARもForm 8938も対象外ですから、過去の分に遡って何か修正申告しないといけないということはないかと思います。
Re: 日本の年金と個人確定拠出年金について
ツララ(ゲスト) 2015/01/23(金) - 19:22Jinmei様、お忙しい中、貴重なお時間を割いて説明頂き、本当にありがとうございました。
ご説明頂いた内容を元に、以下の様に理解いたしました。
FORM8938の申告対象は、12/31で50,000ドルか、年のどこででも75,000ドルに達した時。
年金(いわゆる年金定期便で連絡がある物)は対象外と考る。が個人確定拠出年金はこの対象となるので、これを含めた資産が前述の金額に達していなければFROM8938の申告は不要。という理解で良いでしょうか?
FBARの方も、国の年金は対象外。現時点の個人確定拠出年金額が10.000ドル以下なので、申告は不要。しかし、個人確定拠出年金を含めた資産が、が10.000ドルに達した時点で、FORM114(現在E-FAILE)の必要が出てくる可能性がある。
という理解でよろしいでしょうか?
日本の年金(いわゆる年金定期便にて連絡がある年金)に関しては、確定申告時にform1040なので、申告する必要はまったく無く、アメリカで受給す最に初めて、申告する様な形になる。という理解でよろしいでしょうか?
個人確定拠出年金に関しては、公的年金と同じ税待遇を受けられるのにも関わらず、他年金等とは別の扱いになり、投資として扱われる部分が今ひとつ理解出来ませんでした。しかも、中途解約も出来ず、追加拠出も出来ず、基礎年金番号と紐付けされており、情報は国でも把握されている。という状況なので、私がアメリカの税制度に当てはめて考える際に、正しい判断の妨げになっている様に思いました。
個人確定拠出年金に関しては、国の年金扱いでは無い。とすると、確定申告の際に、何かの形にて申告する必要があるのでしょうか?おはずかしながらその部分も良く理解出来ません。お知恵がありましたら、ご教授頂きたくお願いいたします。
個人確定拠出年金は国外に出た時点から、追加拠出する資格を喪失し、運用指図者の資格になっており、手数料を支払って内容変更をするのも。と考え、資格変更以来、放置状態です。その為、現在まで69万弱から変更が無い状態です。今後も増える事無く、横ばい、若干の減少状態が続くと思われます。中途解約も不可、元本も確約無し、運用変更の手数様も高く、追加の拠出も不可、おまけにアメリカの税制でも取り扱いが面倒。本当に厄介な物です。
身近な人で、年金、個人確定拠出年金を気にしている日本人の方が居なく、まったく話が出来ない状態で、一人ウツウツと考えていたので、お知恵を拝借出来、非常に助かりました。感謝いたします。追加の質問でお手を煩わせ申し訳ございませんが、もう少しお付き合い頂ければ。と思います。
Re: 日本の年金と個人確定拠出年金について
jinmei 2015/01/24(土) - 12:30> FORM8938の申告対象は、12/31で50,000ドルか、年のどこででも75,000ドルに達した時。
> 年金(いわゆる年金定期便で連絡がある物)は対象外と考る。が個人確定拠出年金はこの対象となるので、これを含めた資産が前述の金額に達していなければFROM8938の申告は不要。
> FBARの方も、国の年金は対象外。現時点の個人確定拠出年金額が10.000ドル以下なので、申告は不要。しかし、個人確定拠出年金を含めた資産が、が10.000ドルに達した時点で、FORM114(現在E-FAILE)の必要が出てくる可能性がある。
Form 8938の申告対象になる残高の下限は、夫婦合算申告の場合はそれぞれ10万ドルと15万ドルです(instruction参照)。それ以外の点では、上記は私の理解(間違っているかもしれません)と一致しています。
> 日本の年金(いわゆる年金定期便にて連絡がある年金)に関しては、確定申告時にform1040なので、申告する必要はまったく無く、アメリカで受給す最に初めて、申告する様な形になる。という理解でよろしいでしょうか?
これはちょっとご質問の意味を理解しているか自信ありませんが、国民年金や厚生年金に関して、受給前にはアメリカのtax returnで何も申告する必要はないのか、という意味でしたら、「必要ない」というのが私の理解です。
> 個人確定拠出年金に関しては、国の年金扱いでは無い。とすると、確定申告の際に、何かの形にて申告する必要があるのでしょうか?
ここも意味がわかっているか自信がありませんが、上と同様、個人確定拠出年金の引き出し以前(たとえば今年や去年)にアメリカのtax returnで何か申告する必要があるか、ということでしょうか?もしそうなら、私もいま調べてみてはじめて知ったのですが、どうやら原則としてはその年金内でのearning(分配金や売却益など)についての申告(と納税)が必要なようです。
IRSが公開しているような文献で、はっきりと「申告が必要」と書いてあるものは見つけられませんでしたが、たとえばForbesに関連する記事がありました。この内容によれば、アメリカの401(k)やIRAに相当する外国のリタイアメントプランは、IRC 401でいうところの"qualified plan"とみなされないため、たとえその外国の税制内で優遇措置があっても、アメリカ的には通常のincomeとして扱われるということのようです。
2国間の租税条約で明示的に例外を定めているような場合だけこの原則の外になるようで、たとえばアメリカとカナダ間の租税条約にはそのような規定があり、これはIRS pub 597として公開されています。これの"Tax-deferred plans"というところを見ると、"Generally, income that accrues in a Canadian RRSP or RRIF is subject to U.S. tax, even if it is not distributed. However, a U.S. citizen or resident can elect to defer U.S. tax on income from the plan until the income is distributed."ということで、カナダ人の場合「リタイアメントプラン内に蓄積されている所得は一般的には(たとえ引き出していなくても)アメリカの課税の対象になるが、それを遅らせるよう選択することもできる」ようです。これは当然ながらカナダについてだけの規定ですが、この"general"な規定は他の国にもおそらくあてはまり、しかもカナダの場合の例外規定がわざわざ明記されているということは、そういう規定がない限り"general"ルールが適用されると考えたほうがよさそうです。私が調べた範囲では、日本との間にはこの手の規定は見当たりませんでした。
あともう一つ、別なtopicで話題になっているForm 8621というのがあり、個人確定拠出年金内で投資信託を保有していたりすると、それがここでいうところの"PFIC"に該当する可能性もあります(というか可能性が大きいです)。ただし、この場合は幸いな事にリタイアメントプラン用の一般的な例外があり(IRS公報の1298-1T (b)(3)(ii)参照)、これの提出義務は免除されそうです。
なお、言わずもがなですが、上記の私の理解が正しいという保証はまったくありませんし、それを信じて行動して(あるいは行動しなくて)起きた結果には私は責任を持てません。上に挙げてある資料などをご自身でお読みになってご自分で判断なさってください。もしその結果に自信が持てないようでしたら、お一人で悩むよりは専門家に相談した方がよいでしょう。
Re: 日本の年金と個人確定拠出年金について
ツララ(ゲスト) 2015/01/24(土) - 14:49jinmei様
お忙しい中、見ず知らずの者の理解しずらい質問に関して、ご親切に再度返信頂きありがとうございました。
>Form 8938の申告対象になる残高の下限は、夫婦合算申告の場合はそれぞれ10万ドルと15万ドルです(instruction 参照)。それ以外の点では、上記は私の理解(間違っているかもしれません)と一致しています。
夫婦合算の金額の件、ありがとうございます。Jinmei様の理解と私の理解は一致いしてます。
>これはちょっとご質問の意味を理解しているか自信ありませんが、国民年金や厚生年金に関して、受給前にはアメリカのtax returnで何も申告する必要はないのか、という意味でしたら、「必要ない」というのが私の理解です。
はい。私の質問内容は、Jinmei様が理解して頂いた意味です。
>ここも意味がわかっているか自信がありませんが、上と同様、個人確定拠出年金の引き出し以前(たとえば今年や去年)にアメリカのtax returnで何か申告する必要があるか、ということでしょうか?もしそうなら、私もいま調べてみてはじめて知ったのですが、どうやら原則としてはその年金内でのearning(分配金や売却益など)についての申告(と納税)が必要なようです。
はい。この質問に関してもJinmei様が理解して頂いた意味を、私は質問させて頂きました。やはり申告が必要な可能性が大きいんですね。申告の必要性の根拠資料も提示して頂き感謝致します。一人ではこんな沢山の税関系の資料を見つけ出し、理解する事は不可能でした。どの様な申告が必要になるのかに関しては、私一人で悩んでみてもらちが明かないのは明白なので、専門家に相談致します。
>なお、言わずもがなですが、上記の私の理解が正しいという保証はまったくありませんし、それを信じて行動して(あるいは行動しなくて)起きた結果には私は責任を持てません。上に挙げてある資料などをご自身でお読みになってご自分で判断なさってください。もしその結果に自信が持てないようでしたら、お一人で悩むよりは専門家に相談した方がよいでしょう。
もちろん、Jinmei様に責任を持って頂くなど、ご迷惑をお掛けするつもりございません。頂いた情報、資料をこれから早速自分で確認し、事前情報を自分なりに準備しておき、今年のtax returnにて専門家と対応していく。という手順になると思います。これだけの内容を調べて頂くのに、大変なお手間と時間を割いて頂いた事と思います。再度、ご親切に心より感謝いたします。ありがとうございました。
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