いつもこちらで大変有益な勉強をさせて頂き、感謝しております。
前のトピックで、日本の銀行利子の計算方法として、NOBUさんが出された以下のコメントに関して質問があります:利息については税引き後ではなく、税引前の金額で考えます。その上で日本で取られた税金はForeign Tax Creditで支払い済みの税金として計上します。
質問は税引き前の計算方法で、このような状況です。
- 私はU.S. personなので、アメリカで確定申告しています。
- 邦銀に3つの普通預金口座を持っており、2014年には合計で100円/US$0.837の銀行利子所得があったため、1099-INTの提出が必要です。
- 海外転出届を出しているので現在日本に住民票はありませんが、邦銀に届け出ている住所は前に日本に住んでいた住所のままです。
色々なブログを読んだところ、利子所得の金額に20.315%(所得税15%、復興特別税0.315%(15%x2.1%)+ 住民税5%)を乗じて計算された税金が利子を受け取る際に源泉徴収され、残りの79.685%が受取金額となる、と書かれてありました。 しかし、金額は微小なものの、私は日本では非居住者なので、15.315%だけが源泉徴収の対象になり、この”住民税5%”は使ってはいけないのではないかと不安になりました。
この場合、税引き後100円の利子所得に対して、何%を上乗せして税引き前の金額を求めれば良いのでしょうか?
単純に20.315%を使ってしまって構わないでしょうか?
どうぞ宜しくご教示くださいますよう、お願い致します。
有難うございます。
Re: 銀行利子の税引き前の金額の計算方法
jinmei 2015/04/26(日) - 22:01利子所得の金額に20.315%(所得税15%、復興特別税0.315%(15%x2.1%)+ 住民税5%)を乗じて計算された税金が利子を受け取る際に源泉徴収され、残りの79.685%が受取金額となる、と書かれてありました。
これは、日本の普通の居住者が日本の銀行にもっている預金の利子についての日本での課税という点では正しいと思います。
税引き後100円の利子所得に対して、何%を上乗せして税引き前の金額を求めれば良いのでしょうか?
税引き前の金額については20.315%上乗せでよいと思います。問題になるのは、このうちのどれだけをForeign Tax Creditして請求できるのかという点でしょう。これについては、現時点での私の理解は、以前株式などの配当について書いたブログ記事の通り、租税条約上の上限である10%までというものです。
ただし、そのblog記事についての掲示板のコメントでは、「在米の日系会計事務所」がそのようなルールはないと言っているという情報もあり、この私の理解が正しいのかどうかは今ひとつ不明です。
いずれにせよ、利子の額自体が高々(税引前)100円だとすると、20.315%全体でもドル換算では21セントほどですから、たとえばソフトウェアなどを使って申告すると丸められてゼロになってしまうような気もします(また、税金の額自体も変わらないかもしれません)。ですから、実務上はあまり心配する必要もないような気もします。
Re: 銀行利子の税引き前の金額の計算方法
あおぞら 2015/04/27(月) - 02:42jinmeiさま、
こんばんは。
ご丁寧なアドバイスを有難うございました。
利子の金額が本当に小さいので、余り気にすることはないようですね。
20.315%で割り切って考えることにします。
jinmeiさまには数か月前にもFBARのことでアドバイスを頂き、その際にもとても力になりました。
今回と合わせて、改めてお礼を申し上げます。
また今後ともどうぞ宜しくお願い致します。
有難うございました。
Re: 銀行利子の税引き前の金額の計算方法
jinmei 2015/04/27(月) - 15:57すみません、よくよく読み直してみると、もともとのご質問を少し誤解していたことに気が付きました。
ご質問の本質は、日本の預金の利子から源泉徴収された税金に地方税が含まれているのかどうかということですね。これは、個別の銀行ごと、またその銀行に海外転出の届けを出しているかどうかによって変わると思われます。海外転出者の対応に慣れた銀行においてきちんと手続きをしていれば、利子には住民税はかからなくなると思いますが、そのあたりの処理が適当な銀行だったり、銀行側が対応できる場合でも顧客側が手続きを取っていない場合は住民税も含めて源泉徴収されている可能性が高いでしょう。なお、これらの手続きは役所に出す住民票上の手続きとは別です。また、郵便物送付用の住所として国内のものを指定しつつ居住地を外国にする手続きを取るということは(金融機関にもよると思いますが)あり得ます。
確実にどちらであるかを知るには、銀行発行の明細などを見れるようであれば、税引き前(または後)の利子の額と源泉徴収額を比較するのがよいでしょう。これらの項目が明細に含まれていなかったり、すぐに明細書を見れる状況にないとすると、銀行に電話して確認するのが確実かもしれません。
ただ、これまた実務上のことをいえば、利子自体が100円前後であればどう計算しようと誤差だという可能性も高いかとは思います。
Re: 銀行利子の税引き前の金額の計算方法
あおぞら 2015/04/27(月) - 20:03jinmeiさま、
税金や確定申告にズブの素人の質問ですのに、いつも本当にご丁寧で深いご意見を有難うございます。
自分では考えてもみなかった深さや角度からアドバイスをくださるので、その豊富な知識に感嘆するやら自分の知識の浅さに(改めて)ガックリとくるやら…です。
頂いたアドバイスをもとに、やはり余り気にせず処理することと致します。
今後ともどうぞ宜しくお願い致します。
有難うございました。
具体的には…
SHO(ゲスト) 2018/04/12(木) - 20:43利息前の金額の出し方は総額で20.315%課税されるので課税前の金額"B"を出す場合
100%-20.315%=79.685
課税後の利子÷0.79685=課税前の金額"B"
日本の銀行の明細の利息が1年で仮に100円のみだった場合、明細上の数字は既に課税後なので
100÷0.79685=125.494
125.494円が課税前の利息の金額になり、これをドル為替で変換したもの
2015年の12月31のtreasury management financial serviceのレートの場合は78.000なので
125.494÷78.000=1.608
四捨五入して、1ドル61セントが日本銀行の課税前の利子のドル変換となり、
8938フォームに書き込む銀行の総額利子は銀行が一つのみの場合この金額であるという理解でよろしいでしょうか?
Form 8938で必要なのは残高のみですので
jinmei 2018/04/12(木) - 21:22Form 8938で必要なのは残高のみですので、こうした計算で悩む必要はありません。
ただし、日本の銀行利子にはアメリカでも課税されますので、税引前の利子の金額はその目的のためには必要です。その場合の計算はお書きになった通り、税引き後の金額÷税率で正しいと思いますが、上でも書きましたように、税率については銀行の口座が非居住者扱いになっていれば地方税5%分は含まれないのが普通でしょうから、15.315%になります。また、ドルに換算する際に使用するレートは12月31日ではなくて利子が発生した日のものになるはずです。
利子の計算
SHO(ゲスト) 2018/04/19(木) - 20:45なるほど。詳しい情報ありがとうございました。
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