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ROTH IRAのメリット

馬子(ゲスト)

タックスリターン中ですが今年はIRAに拠出できないことがわかり、
ROTH IRAに満額拠出したいと思いました。
が、Traditional IRAと比較してメリットがいまいちわかりません。
将来の引出しのときには元金、利子ともに非課税ということですが、
定年すぎたら収入も少なく非課税のメリットがそこまで大きくないかなと思いました。
ということは、運用して利子の非課税が最大のメリットとという認識でよいのでしょうか?
何かほかにあるのでしょうか?
投資はよくわからないので、失敗したら利子の非課税もメリットないのかなと思いました。

jinmei 2019/03/07(木) - 12:54

Rothとtraditional IRAの比較ということだと、一般的に言われているRothの利点は、運用益が非課税になるという点に加えて、Required Minimum Distributionがないこと、estate taxの対象にならずにそのまま相続させられること、だと理解しています。

> 定年すぎたら収入も少なく非課税のメリットがそこまで大きくないかなと思いました。

この点についてはその通りかと思います。より正確には、拠出時の控除効果と運用益の非課税効果のどちらが高いかは結構微妙で、おそらく個々人の状況にかなり左右されるだろうというのが私の理解です(一般には後者をやたらと強調する"Roth派"の意見の方が目に付く気がしますが、私はそれほど単純ではないと思っています)。手前味噌ですが、以前税優遇口座についてまとめたスライドを作った時にこのあたりのことも具体的な数字で検証しているのでよろしければご参照ください。

ただし、ご質問の状況では、そもそもtraditional IRAで控除を取れないようですから、こうした意味でtraditional vs Rothについて悩む理由はないでしょう。どちらかといえば、税優遇口座と通常の課税口座のどちらにお金を置いておくかの選択の問題ということになると思います。その点では、税優遇による金銭的効果・(州によって違うと思いますが)債権者に対する財産保護効果・(Roth IRAの場合)相続上の効果、などといった税優遇口座の利点と、流動性の問題(一旦拠出したら簡単には引き出せない)とか、口座によっては運用手段が限定されるとかいった欠点との比較になるかと思います。

> 投資はよくわからないので、失敗したら利子の非課税もメリットないのかなと思いました。

課税口座でも「失敗」すればお金は減りますから、運用の失敗に対する不安は税優遇口座 vs 課税口座の比較とは独立だと思います。リスク資産への投資に伴うリスクが怖いのであれば低リスクの資産で運用すればいいだけのことでしょう。IRAでもCDなどの無リスク運用先はあります。ただ、低リスクということは低リターンでもあるということなので、そのリターンに対する税優遇効果が低流動性などの欠点に比べて魅力的ではないということはあり得るかとは思います。この辺りには絶対の正解はなく、個人の考え方次第でしょう。

馬子(ゲスト) 2019/03/14(木) - 12:26

jinmeiさん、スライド拝見しました。
私には難しい部分もありましたが、
とても勉強になります。熟読させていただきます。
どうもありがとうございます。

確かにTIRAは拠出できないので比較しても意味ないですね。
おっしゃるとおり
pros 相続上の効果&運用益の非課税 
cons 流動性&口座によって運用手段が限定
ということになるのかなと思いました。

ところでスライドで気になった箇所があったのでご質問させていただければと思うのですが、
45枚目の「401kのfund選択」で(個人的には)論外に
Fidelity Contrafund (FCNTX, 0.64%)が入っていましたが、
この理由は手数料が高いということでしょうか?
会社で勝手に選ばされていたtarget year fundが同じくらいの手数料なので
Contrafundに変えようかと思っていました。
同じファンドマネジャーがずっと手掛けてるようなので
なんとなく良い印象を持ったのですが・・・

それと50枚目の
債権(優遇口座向き)はすべて優遇口座で購入、とありますが、
これは理由があるのでしょうか?

jinmeiさんのご意見を聞かせていただけたらと思いました。
どうぞよろしくお願いいたします。

X(ゲスト) 2019/03/14(木) - 14:27

債券を優遇口座で購入するのは、
一般口座では、債券の利息部分に対する税率が、
株式配当の配当に対する税率よりも高いからだと思います。
優遇口座では、いずれもだといずれもゼロになります。

ただしこれも絶対ではなく、株式の期待収益が債券よりずっと高ければ、
優遇口座で株式を運用してより大きなメリットを得られる可能性もあります。

jinmei 2019/03/15(金) - 01:36

> 45枚目の「401kのfund選択」で(個人的には)論外にFidelity Contrafund (FCNTX, 0.64%)が入っていましたが、この理由は手数料が高いということでしょうか?

そうです。Fundの適正な手数料(expense ratio, ER)の目安には人によって多少の違いはあるでしょうが、0.5%以上なら「高過ぎ(とくに理由がなければ避けた方がよい)」、1%以上なら「論外(検討の必要もなし)」くらいの感覚が広く合意されているレベルだと思います(個人的には0.5%以上なら「論外」としたいところです)。

> Contrafundに変えようかと思っていました。同じファンドマネジャーがずっと手掛けてるようなのでなんとなく良い印象を持ったのですが・・・

私には「同じファンドマネジャーがずっと手掛けてる」ことがよいfundであることを意味するかどうかはわかりませんが、たとえば上記のような手数料率に対する感覚に合意したとして、「高すぎる」ERを正当化できると思えるだけの根拠があるとお考えになるのでしたらそれでもよいと思います。ただ、ある特定の銘柄の株式が今後値上がりするかどうかを素人が見抜くのはほぼ100%無理であるのと同様に、ある特定のfundが今後(他のfundに比べて)よい成績を収めるかどうかを見抜くのもほぼ100%無理である(と、一般的に言われている)ことは念頭に置かれたほうがよいかとは思います。私自身は、そのような目利きが自分にはないという割り切りのもとに、もっぱら確定している事実(たとえばER)だけに集中してfundを選んでいます。

> それと50枚目の債権(優遇口座向き)はすべて優遇口座で購入、とありますが、これは理由があるのでしょうか?

債権が(一般の株式などと比べて)「優遇口座向き」であるとされる根拠は、上でXさんもお答えになっているように、税効率が悪い分、税優遇口座で保有したときに相対的に有利になるということです。税効率が悪いというのは、具体的には以下のようなことを指しています:

  • 株式の配当は(長期保有であれば)ほとんどが適格税率(多くの場合15%)で課税されるが、債権の利子はordinary incomeとしてtax bracketの税率で課税される
  • (とくにindex型の)株式fundは税効率を意識してむやみに分配を出さないようにしているが、債権fundは分配を多めに出すことが多い(ので毎年かなりの割合を税金で削られる)
  • 株式(やそのfund)を長期保有後に課税口座で売却すれば有利なキャピタルゲイン税率で課税されるが、税金先送り型の優遇口座で保有すると引き出し時にはordinary incomeとして課税されるので相対的に不利(したがって債権を優遇口座で保有する方が相対的に有利)

このこと(の一部)は、スライドの37ページとその次のページでも説明しています。38ページでは具体的な数字を使って検証しています。また、そのページからリンクしているスプレッドシートではその計算の詳細を見ることができます。

ただし、スライドの37ページ目、またXさんのコメントにもあるように、この比較は相対的なもので、条件が変われば結論が変わってくることもあり得ます。とくに過去数年は債権の利回りが極端に低かった(この1年くらいでまた少し上がりましたが)ので、わざわざ税優遇口座に入れる必要はないという人も見かけるようになりました。スライド38ページ目の条件であればまだ債権を優遇口座に入れた方が有利という結論ですが、スプレッドシートの上で条件の数字を変えて試してみると違う結果が導かれることもあるでしょう。

次に、債権を「すべて」優遇口座で購入するとした理由は、冒頭の方の「モデル1」という具体例における運用資金と資産配分を前提とすると、債権に割り当てる金額を全額優遇口座で賄えるからです。全額優遇口座の拠出枠に対して想定している債権への投資額が大きければ、どうしても一部は課税口座にはみ出すことになるでしょうし、もし401(k)の債権fundがあまりに粗悪なようならまた違った割り当て方になるということもあり得るでしょう。「一般論として比較的有利になりやすい配分ではあるかもしれないが、最終的には個々人の具体的な状況によって異なる」ものとお考えください。

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