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RSUを売却する順序について

Echiko

RSUを売却する順序についての質問です。会社のRSUを何となくあまり売却せずにいたらRSUがアセットの20%以上になってしまっています。過去10年に私の会社はかなり成長したので、自社株の値段もかなり上がり、その意味では売らずにおいたのはラッキーだったのですが、それは結果的にラッキーだった訳で、分散投資の点からは今後はRSUを売って行って他の種類のアセットに変えて行く必要があると思っています。ちょっと前からそれを始めたのですが、自分流ではどうもメンタルバイアスがかかっているようで、意見をお聞きしたいと思います。例えば以下のリンクでは、RSUはvestしたらすぐに売って他のアセットに替えるべき、と書いていて、確かになるほどと思うのですが、今まではそう出来ていませんでした。https://www.parkworth.com/blogs/2018/11/29/when-should-you-sell-rsu-sha…

今保持しているRSUのロットは以下の種類があります。

A: 数年以上前にvestしたRSUで含み益はかなり大きい
B: 一年以上前、3年前以内にvestしたRSUで、含み益はほどほどのものが多いが、やや含み損が出ているものもある
C: 一年以内にvestしたもので、現時点では含み損がある (過去数カ月に自社株はやや下落したので)
D: まだvestしていないRSU

今までの方針は、Aを売ると大きな税金がかかってしまうため、Bの中から利益の小さいものから売る(税金はlong term gainになるのでshort termよりも税率が低い)、という方針でした。これは「RSUがvestしてから一年待って売却益がlong termになってから売る」いうのを考え方を含んでいて、もちろん含み利益が出ている場合にはshort termで売るよりはいいのでしょうが、一年後に自社株値が上がっている保証は何もなく、こうして考えてみるとロジカルではないと思いました。

ロジカルな方針としては、損の出ているロットCから売って、capital gainを相殺する税金対策にする。そしてDについては、やはりvest次第売却する、その上でさらに売却する場合には、利益が少ないロットから選んで売却する、というのがいいのでしょうか? 「損失を確定する」という部分にやはり心理的な抵抗を感じてしまうのです。よろしくお願いいたします。

Nobu 2019/06/09(日) - 21:36

私の個人的な意見を書かせてもらいます。こういう風に考える人もいると思って頂ければ幸いです。

まず、RSUをどう解釈するかですが、私は次のように考えます。
・ある日に会社から「将来、ボーナス上げますよ」と言われる。これがGrant。
・1年とか3年とか決まった期間の後に「じゃぁ、約束してたボーナスをあげます」となる。これがVest。
・ボーナスなので普通に税金は取られる。この税金はVestした株のうち強制的に売られる分
・ボーナスの手取りに相当する分で「無理やり」自社株を買わされる。これがRSUから変換された株式

このように解釈すると、本来ならもらえる(現金の)ボーナスではなく、無理やり株を買わされているだけなので、「そんなのは自分の運用方法ではないので、出来るだけすぐに売って、本来のボーナスをもらった時の運用方法に戻すべき」となります。イコール、RSUはVestしたらすぐに売れ、という事になります。税金の掛かり方も、実際には現金でもらったボーナスで自社株を買ったのと同じ事になります(「Stock Option」の場合は違います)。

次に今すでに保有している(Vest済みで自社株が証券口座にある状態)ですが、これはRSUではなく、単に自分がある会社の株を保有しているだけです。含み益がある/ないでどのロットを売るべきかはご自身の他の税金の状況にもよるので、会計士と相談して売却のタイミングを決めるのが正しい答えかと思います。A、BはLong Term扱い、CはShort Term扱いなので、利益が相殺される順序を考えて、売却すれば良いでしょう。A~Cの株数にもよると思いますが、私ならB、Cを全て売って、利益が上回る分は税金を払う。さらにAも出来るだけ売ってしまうと思います。ただ、キャピタルゲインがあるとAGIの計算には組み入れられたと思うので、何かAGIで制限に引っかかる可能性がある場合は、その金額以下になるようにします。

DについてはVestして売却可能になったらすぐに売る事でShort Term Gain/Lossは非常に少ないものとなるはずです。Vestした日の終値が原価で、翌日の寄付/始値で売れば(証券会社によっては無理な場合もあり)、大抵、価格差は僅かなはずです。Vestした日にRelease(売れるようになる事)をしてくれる証券会社なら、その日のうちにMarket Orderを入れておけば、翌日の朝には(市場の開始から数分後で)売れる事になります。

X(ゲスト) 2019/06/10(月) - 09:27

限界税率が何パーセントになるかの問題なので、現在と将来のtax bracket を想定して最も税金が安くなる様に売るのが良いと思います。利益の出ているものはlong-termから、損失が出ているものはどちらでも変わらないと思います。

Echiko 2019/06/10(月) - 11:00

Nobuさん、Xさん、どうもコメントありがとうございました!

確かにNobuさんの考え方はとてもロジカルだと思います。今までそれが出来ていないのは、心理的な障壁によるもので、他の投資、資産運用における行動と同じく、そういう心理的な要因を排除して、ロジカルに、ある意味機械的に行動するのがいいのでしょうね。

Aのロットについては、Xさんが言われるように、将来リタイアして収入が減り、tax bracketが低くなってから売るというのでもいいかなと思っています。まずはB, C, Dをロジカルに対処して行こうと思います。

jinmei 2019/06/10(月) - 16:21

>「損失を確定する」という部分にやはり心理的な抵抗を感じてしまうのです

という点についてですが、もしまだでしたら行動経済学、とくに損失回避性について調べてみるのもいいかもしれません。

今回の場合ですと、たとえばある株式を1株ずつ2回に分けて購入して、購入金額がそれぞれ$100,$200、現在の株価が$150だったとしたときにどちらか一方の株をいますぐ、残りを1年後に売らないといけなくなったとしたときに、どの順で売るべきかというような問題と同じだと考えられます。税金の効果を無視するとすれば、どちらの順序であっても最終的なgain/lossは$X-150(Xは1年後の株価)ですから、売る順番に意味はないのは明らかです。

こうやって定量的に考えれば明らかなことでも、もし$200で買った株を先にいま$150で売ることに"「損失を確定する」という心理的な抵抗"を感じるのだとすると、同じ金額でも損失の痛みの方を強く感じるというloss aversion効果である可能性が高そうに思えます。

このような心理は、少なくとも心理学的な研究の結果では多くの人が普通に持つ性質のようですので、完全に逃れるのは不可能でしょう。個人的には、まずそのような抵抗感を感じるのは人間としてはごく普通の反応であるらしいことを客観的に理解して、その上で定量的・合理的な判断でそれを修正するように努めるのがいいと思っています。後者だけを言われて腹落ちするならそれにこしたことはないでしょうが、前者に対するモヤモヤ感を残したままだとどうしても納得し切れなかったり反発したりということにつながりやすいと思うので、まず自分の抵抗感の出どころを理解して、それを経験と学習によって徐々に制御していくのがよいと思います。

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