FICO以外のスコアでよく聞くのはVantageScoreです。3つのクレジットビューローがFICOスコアと競合するものとしてVantageScoreを作りました。FICOと比べて考慮する要素が違い、点数の範囲も違っています。このため、FICOスコアとVantageScoreでは直接比較することが出来ません。
Vantageスコアの範囲
Vantageスコアは500から990の範囲になります。FICOスコアと比べると数字が全体的に高くなるので、VantageスコアをFICOスコアと混同すると、実際よりも高いスコアかと勘違いしてしまいます。
Vantageスコアの要素
VantageスコアはFICOとは違う方法でクレジットヒストリを数値化しています。
VantageスコアとFICOスコアの比較
Vantageスコア | FICOスコア |
支払い履歴 | 32% | 支払い履歴 | 35% |
利用率 | 23% | 借り入れ残高 | 30% |
借り入れ残高 | 15% | ヒストリの期間 | 15% |
ヒストリの期間 | 13% | 新規のクレジット | 10% |
新規のクレジット | 10% | クレジットの種類と組み合わせ | 10% |
利用可能金額 | 7% | | |
注目したいのは利用率(Utilization)と利用可能金額(Available Credit)です。どちらもFICOでは直接、計算要素になっていないものです(実際には間接的に計算に組み入れられています)。
利用率とは現在の借入残高を借入限度額で割ったものです。例えばあるクレジットカードの残高が$500で利用限度額が$2,000であれば、500÷2000=0.25(25%)となります。この割合が低いほうが一般的には(Vantageスコアに限らず)スコアは上がります。
利用可能金額とは利用限度額から現在の残高を引いたものです。上記の例を使うと、$2,000-$500=$1,500となります。
Vantageスコアの面白い(あるいは奇妙な)ところは、利用率、借入残高、利用可能金額が別々の要素になっているところです。借入残高と利用可能金額が分かれば利用率が計算できるにも関わらず、別々の要素にしているということは、いくら割合が少なくても絶対額が多ければスコアが悪くなる場合もあるということです。
VantageスコアをFICOスコアへ換算する方法
スコアを計算する要素が違うので、Vantageスコアから簡単にFICOスコアに換算する方法はありません。
ウェブサイトによってはVantageスコアに0.86を掛ければ概算が出ると書いてあるものもあります。しかし、その概算から大きく外れている(50ポイント以上)人もいるようで、当てにはできません。ローン申請の前にスコアを確認するときは、本物のFICOスコアを入手するようにしましょう。