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リスク

市場リスクと企業リスク

リスクにはさまざまなものがありますが、株式に投資するときに重要になるのは市場リスク (Market Risk)と企業リスク (Company Risk)です。市場リスクは、株式市況全体に関するリスクで、不況になれば市場全体の株価が下がり、好況になれば上がるということです。それに対して企業リスクは、個々の企業が持つリスクで、例えば経営陣が企業の舵取りを失敗するリスクです。 個々の企業は、企業リスクと市場リスクの両方にさらされています。企業が経営を間違えば、その企業の株価は下がります。しかし、経済全体が低迷したらいくら良い経営をしていても市場に釣られて株価が下がることがあります。個別株を買うと言うことは、この企業リスクと市場リスクの両方をとることになります。

個別FundとIndex Fund

それではMutual Fundを買う場合のリスクはどうなるでしょうか?Mutual Fundでもファンドマネージャーが積極的に利益を追う個別Fund (Actively Managed Fund)は、そのファンドマネージャーがリスクになります。マネージャーが方針を誤り、損失を出す場合もありますし、逆に見た目の利益を上げるために運用先を安全なものにしてせっかくの利益を見逃す場合もあります。確かに多くの株を持つことで企業リスクは分散されますが、そのFund固有のリスクは無くなりません。 Index Fundの場合、そのファンドマネージャーの仕事は指標となるFundに合わせて資金を運用することです。Indexにもよりますが、マネージャー自身の方針で損失が発生することは少なくなります。IndexでもDowやS&P500など場合は、そのIndexを決める人の判断リスクがあります。さらに多くの株式を含み、機械的に決まるIndex(Wilshire 5000)などは、こういったリスクがほとんどなくなります。つまり、Index Fundの場合は企業リスクを減らし、市場リスクだけになります。

どのリスクを取るか

このように個別株には企業リスクが、個別Fundにはファンド運営のリスクがあります。もちろん、リスクに見合うリターンが見込める場合もあります。もし、投資目標がリスクを取ってもいいから高いリターンを狙う、ということなら個別企業やFundに投資する意味はあるでしょう。 しかし、投資目的が長期的な運用で資産を増やす、リタイアに備えて資金を貯える、子供の大学資金にする、など高いリターンを目指すこと自体が目的でない場合もあります。できるだけ運用成績がよく、かつ余計なリスクを取らない効率の良い投資を目指すなら、企業リスクやファンド運営のリスクをできるだけ無くすIndex Fundがいいでしょう。つまり、Index Fundに投資するの場合は市場リスクだけを取り、リターンは市場の平均を狙う、と言うものです。 なぜ市場リスクだけを取るのが良いことなのでしょう?例えば個別Fundに投資して、その分リターンを狙ったとします。もちろん、その分リスクが増えます。ところが、リスクを取っても、それに見合うほどリターンが増えないことがほとんどなのです。例えば、リスクを5%余計に取っても、望めるリターンは2%しか上がらないのです。それに対して、市場リスクだけを取れば、確かにリスクはあるのですが長期的に見ればリスクに見合うリターンが望めます。他の投資(債券など)に比べてリスクを取った分、リターンが増えるのです。同じリスクを取るなら、それに見合うリターンを一番効率よく得られる方法=Index Fundがいいのです。