市場は理性的に振舞っているのか？Mind Over Money

経済学者は株式などの市場は理性的、もしくは合理的に振舞うと言う仮定で理論を組み立てています。簡単に言うと株価はその時の情報を反映させたものだから、常に正しいと言うものです。例えばBP社が原油流出を起こせば、それに伴ってBP社の株価も下がります。事故処理やら訴訟やらで利益が今後経ることが予想されるので、株価もそれに合わせて下がるのです。

ところが人は理性的に株価を売り買いしているとは限りません。感情にまかせて売り買いすると市場が理性的に振舞うと言う仮定が崩れて、経済の理論が崩れてしまいます。私からすれば逆にほとんどの個人投資家は「感情」で売り買いしていると思うので、市場が理性的であると言うのはピンと来ないのですが、経済学的には理性的ということになっています。

市場全体としてみれば本当に理性的に動いているのか、やっぱり感情などの非理性的な人々の行動が大きく影響しているのか、経済学者の間でも意見が分かれるようです。このNovaのビデオ「Mind Over Money - Can markets be rational when humans aren't?」はそんな議論を紹介するドキュメンタリーです。

オランダで起こったチューリップバブルなど面白いエピソードも交えて科学的に株式市場を見る立場を紹介しています。

2年前のものですが、Wired Visionにも関連するテーマの記事があります。

金融崩壊の根本原因は「人間の本能」：神経科学者が語る米国批判

見えざる手（Invisible Hand)が市場を動かしていると考えるのですが、それが機能しなくなっていると言う、興味深い内容です。